簿記2級は問題集をきちんと学習すれば、独学で合格することも可能な試験です。
テキストの問題でも実力は着きますが、しっかりと問題集を1冊終わらせることをおすすめします。
今回は簿記2級合格者の方に、問題集を比較して頂き問題集の特徴と過去問について解説してもらいました。
簿記2級の問題集おすすめ10選
問題集は書籍やアプリなど様々ありますが、今回は市販の書籍おすすめを紹介します。
TACあてる直前予想模試日商簿記2級
TAC出版から出版されている「TACあてる直前予想模試日商簿記2級」について紹介します。
本書は毎回、本試験の1~2か月前に発行され、TACが総力を上げて過去問と最新の出題傾向を分析した直前予想問題が収載されています。
構成としては予想問題4回分とネット試験5回分が用意されており、まさに直前の力試しと苦手分野の最後の総洗いに適しています。
問題ページ以外の構成としては集中学習論点シートというページがあり、大問ごとに特に出てくると予想される論点がまとめられています。
また、本書冒頭には間違えやすい問題がまとめられたページもあるため本試験10分前まで活躍するでしょう。
さらに特典として仕訳アプリを利用することができます。
簿記2級を受験された人でこの問題集を最後に解いたという人も多いでしょう。
解説については動画でTACの講師が解説されているものを見ることができます。
本番日前日から本番日の過ごし方のアドバイスまで掲載されており、本書で最終確認をしておけば、本番に向けて疑問点が残るということはほとんどなく自信をもって挑めることでしょう。
スッキリうかる日商簿記2級本試験予想問題集
TAC出版から出版されている滝澤ななみさん著書の「スッキリうかる日商簿記2級本試験予想問題集」について紹介します。
本書は日商簿記2級の本試験レベルの模擬問題が従来形式9回、ネット試験形式が5回の合計14回分収録されています。
過去問ではなく予想問題なので最新の出題傾向に合わせた問題となっているので他のテキストや論点ごとに掲載されている問題集で学習した後の本番1か月前から2週間前くらいから使うのにピッタリです。
また、予想問題は初回から順々に難しくなるので着実に力をつけることができます。
使用するテキストとしては同シリーズのスッキリシリーズがおススメです。
スッキリシリーズのテキストは問題集としての側面もあるのでスッキリシリーズのテキストで学習した後ならば他の問題集を使わなくてもすぐに本書で力試しをしても良いでしょう。
解答用紙と解説は取り外しできるタイプになっています。
また、すべての問題集に共通することですが解答用紙は繰り返し使用するために必ずコピーを取っておきましょう。
本書の14回分の模擬問題を解説もしっかり読み込み理解できれば本試験でも必ず合格点を取れるでしょう。
パブロフ流でみんな合格日商簿記2級工業簿記総仕上げ問題集
株式会社翔泳社から出版されているよせだあつこさん著書の「パブロフ流でみんな合格日商簿記2級工業簿記総仕上げ問題集」について紹介します。
本書は個人的には簿記2級工業簿記の問題集の中でも解説がわかりやすく工業簿記がうまく理解できないという人におススメできます。
構成としては本試験の大問ごとに頻出となる問題が掲載されており、後半に模擬問題が2回分用意されています。
模擬問題は商業簿記の問題も掲載されています。
本シリーズの商業簿記編の問題集に掲載されている問題とは違う問題なので合計4回分の模擬問題に取り組むことができます。
また、冒頭でも述べた通り本書は解説が非常に丁寧で問題のページに対して3~5倍ほどのページが解説となっています。
暗記要素よりも解き方や考え方が重視される工業簿記において心強い味方になってくれるでしょう。
特に難しい論点である原価差異や直接原価計算の項はおススメできます。
ネット試験の模擬問題も用意されているので本書と同シリーズのテキスト編の2冊だけで工業簿記は満点をとれる力がつくきます。
パブロフ流でみんな合格日商簿記2級商業簿記総仕上げ問題集
株式会社翔泳社から出版されているよせだあつこさん著書の「パブロフ流でみんな合格日商簿記2級商業簿記総仕上げ問題集」について紹介します。
本書は冒頭に論点ごとの本試験での出題頻度が掲載されています。
構成としては本試験の大問ごとに頻出問題が掲載されており、最後に模擬問題が2回分用意されています。
ちなみに模擬問題は工業簿記の問題も掲載されているため本試験同様の時間配分で取り組むことができます。
また、問題編と解答・解説編が前半と後半に分かれているわけではなく問題が掲載されているページの次ページに解答・解説が掲載されているため、1問解くごとにスピーディに解答・解説を読むことができます。
一方でつい次のページを見てしまうことがないように注意が必要です。
解説は丁寧にされていてわかりやすい印象です。
購入特典として本試験レベルのネット試験の模擬問題も解けるためネット試験を検討している人も安心していいでしょう。
パブロフ流のテキストを使って勉強している人は完全準拠しているので問題集も本書を使うと良いでしょう。
よくわかる簿記シリーズ合格トレーニング日商簿記2級商業簿記
TAC出版から出版されている「よくわかる簿記シリーズ合格トレーニング日商簿記2級商業簿記」について紹介します。
本書はよくわかる簿記シリーズのテキストに準拠した問題集となっています。
構成としては各論点の問題が収載されており、模擬問題はありません。
試験合格のためには本書で学習した後に模擬問題や過去問題を別に解く必要があるでしょう。
解答・解説は別冊の取り外しできるタイプになっています。
他のTACから出版されている問題集と比較すると本書が一番、学生の時に使ったような教科書に準拠した問題集に似たような印象を受けます。
よく言えばシンプルな構成で悪く言うと工夫がされていないでしょう。
基本的な問題が多めなのでしっかり基礎力をつけたいという人に向いています。
本書でじっくり基礎固めをしたあとに他の問題集で模擬問題に取り組んでいけば着実に力が付くでしょう。
テキストで学習した後にすぐに本試験レベルの問題に取り組むのは不安だという人はワンクッションとして本書で学習するのが良いでしょう。
検定簿記ワークブック2級商業簿記
中央経済社から出版されている「検定簿記ワークブック2級商業簿記」について紹介します。
本書は第1版が1976年に出版されており、著者陣がみなさん大学の教授や名誉教授という長い歴史と安定性があります。
構成やデザインは他の問題集に比べてシンプルで各論点の仕訳問題が豊富に収載されており、巻末に3回分の模擬問題が用意されています。
繰り返しドリルのように解いてしっかり基礎力を固めたい人におススメです。
ちなみにわたしも2級簿記受験時に商業簿記の問題集は本書を使用しており、無事合格できましたので十分合格できるだけの力をつけることができます。
デザインもシンプルだと上述した通り、全体を通して基本的に白黒が使われているため、昔ながらのノートと問題集でガリガリ学習するというタイプの人は好感を持たれるのではないでしょうか。
解答・解説は別冊になっています。
ただ解説が少し簡素な印象は受けたので、その点は注意が必要です。
また、他の参考書や問題集に多いインターネットでのダウンロードやネット試験の模擬問題は用意されていないので、ネット試験を考えている人には不向きでしょう。
超スピード合格日商簿記2級実戦問題
成美堂出版から出版されている南伸一さん著書の「超スピード合格日商簿記2級実戦問題」について紹介します。
南伸一さんは埼玉県にある簿記の教室メイプルという資格専門の学校の代表をされている方です。
本書は商業簿記と工業簿記が一冊に詰め込まれているので他の商業簿記と工業簿記に分かれている問題集に比べてページ数が多くなっています。
価格は1800円+税と他の分かれている問題集の一冊分と同じぐらいなので荷物を増やしたくない人やできるだけ安く抑えたい人におススメです。
解答・解説は別冊で取り外し可能になっているので取り外しできないタイプのものより利便性が高いです。
構成としては本試験の大問ごとに問題が収載されており、後半に2回分の模擬問題が準備されています。
本書と準拠している同シリーズのテキストを使えば対応されている該当ページが示されているので効率的な学習ができます。
難点としてはネット試験形式の模擬問題を解くことはできないところです。
ネット試験を検討している人は別の問題集でネット形式にも慣れておいた方が良いでしょう。
しかし、個人的な意見としては従来形式の試験問題に慣れておけばネット試験においても書き込むことと入力することの違いはありますが、現時点で問題のレベルは従来の形式の方が高いので本書だけでもネット試験での合格も十分可能でしょう。
日商簿記2級まるっと完全予想問題集
TAC出版から出版されている「日商簿記2級まるっと完全予想問題集」について紹介します。
本書はまさに試験直前に取り組む用途で、12回分の予想問題が収載されているシンプルな構成になっています。
大型本なので本試験と同じように計算やメモのための余白を意識した使い方もできるので他のシリーズのテキストや問題集を使用して学習してきた人にもおススメです。
本試験の2週間前から毎日1回分ずつ取り組むといいでしょう。
また、チェックボックスがあり、間違えた問題をチェックしていくことで自分が間違えやすい論点がわかる仕組みになっています。
間違えやすい論点はテキストを読み返し、論点ごとに収載された問題集を利用して万全の体制にしておきましょう。
回を重ねるごとに難易度が上がっていきます。
最後の方の回は本試験よりも難しめに感じる問題も多数あるので、本書で慣れておけば本試験も心配なく取り組めることでしょう。
しかし、自信を無くしやすい人はあえて12回目から逆の順番でもしくはランダムに取り組んで本試験に向けて自信をつけていくという使い方もいいでしょう。
最後にネット試験用の模擬プログラムも利用できるのでネット試験を検討されている人にもぜひ手にとってもらいたい1冊です。
日商簿記2級光速マスターNEO工業簿記問題集
資格学校のLEC東京リーガルマインドから出版されている「日商簿記2級光速マスターNEO工業簿記問題集」について紹介します。
本書は過去問ではなくオリジナル問題が収載されています。
基本問題が38題、本試験レベルの応用問題が33題の合計71題の問題を解くことができます。
問題の解答欄はもちろん用意されていますがインターネットでも無料でダウンロードできるようになっているので、繰り返し解くためにぜひダウンロードしてプリントアウトすることをおススメします。
基本問題は論点ごとに順番に記載されているので該当の論点を参考書で学習したタイミングで解いていくのが効果的です。
そして、すべての論点の学習が終わってから本試験形式である応用問題を解いていけば工業簿記の2級を理解する力は自然と養われるでしょう。
問題数も十分に用意されているので問題演習は本書だけでも十分本試験で対応できるはずです。
難点は解答・解説が別冊になっていないので、問題ページと解答ページを行ったり来たりする必要があるところです。
しかし、価格は830円+税と他出版と比べて良心的な設定になっているのでできるだけお金をかけずに学習したい人におススメです。
また、本書は準拠したテキスト編もあります。
ただ工業簿記分野はある程度問題のパターンが決まっているため、テキストは別のものを使っていても特に違和感なく本書の問題に取り組めるでしょう。
日商簿記2級工業簿記が得意になる問題集
ネットスクール株式会社の森田文雄さん著書の「日商簿記2級工業簿記が得意になる問題集」について紹介します。
ネットスクールは会計分野の資格試験を中心に書籍やWEB講座を提供している教育出版業の会社です。
本書は論点ごとに問題が収載されています。
模擬問題はなく解答・解説は別冊にはなっていないタイプです。
本のタイトルにもなっているように得意になる問題集ということで苦手な人向きに優しめの問題が丁寧に解説されています。
問題の一部は解説動画も見られるようになっているので文章や図でわかりにくい箇所があっても安心して取り組めます。
工業簿記は本試験の4割を占め、近年商業簿記分野は難化傾向なので工業簿記でほぼ満点を取るのは試験合格に向けてほぼマストになっています。
本書は簿記の有名な他社の問題集に比べると知名度は劣っているかもしれませんが他の参考書や問題集がしっくりこないという人は一度書店で手に取って検討してみてもよいでしょう。
本書で学習した後に、同出版社から刊行されている過去問題集や模擬問題に取り組めば工業簿記に苦手意識を持っている人も本試験では自信をもって工業簿記に挑めるでしょう。
簿記2級の問題集は1冊を丁寧に学習すること
問題集は1冊を丁寧に学習することをおすすめします。
何冊も問題集をやる勉強法もありますが、1冊を完璧に仕上げると学習効率が上がるからです。
間違えたところを何度も復習していくと、着実に実力がつくのがわります。
参考:簿記2級の独学
もし独学に不安があるなら、通信講座を使うと効率よく試験のポイントを学習することができます。
通信講座は高いイメージがあるかもしれませんが、試験に特化したカリキュラムになっているので1発合格を狙うなら利用する価値はあります。
ただ通信講座によって特徴が違うので、こちらの記事でどんな感じかだけでも見てみてください。
資料請求をしている通信講座も多いので、無料なのでとりあえず資料請求するだけでもおすすめです。