中学受験の勉強法いつから始める？塾講師が教える偏差値が高い子供の学習法

2023年3月11日

中学受験の勉強はいつから始めたらいいの？もしかしてもう遅い…？
国語・算数・理科・社会。4科目の勉強法が知りたい。
学習塾や家庭教師は併用するべき？どうやって選んだらいい？

大切なお子さまに良い教育を受けさせたいと考えたとき、中学受験を選択肢に入れるご家庭も多いかと思います。

中学受験は、お子さまの将来に大きな影響を与えるイベントであり、保護者の方の情報収集やサポートが欠かせません。

この記事では、中学受験の準備を始める時期や、各科目の勉強法、学習塾や家庭教師の選び方について詳しく解説します。

お読みいただくことで、親子で中学受験を乗り越えるための基礎知識が身に付きます。

参考

中学受験の準備はいつから始める？

小学校4年生ごろから始めるケースが多い

中学受験の勉強を始める時期は、一般的に小学校４年生ごろです。

10歳前後は抽象的な思考力が育ち始める時期であり、学習内容も高度になっていきます。

多くの中学受験塾でも、低学年のうちは国語・算数の講座だけが提供され、４年生から国算理社の4科目を本格的に勉強し始めるというケースが見られます。

中学受験塾の新年度は2月から始まることが多いため、4年生の年度初めから授業を受けるためには、小学校3年生の2月に入塾することが必要です。

遅い時期から始めても間に合う？

5年生や6年生から中学受験の対策を始めることは不可能ではありません。

適切な目標を定め、効率的な学習をすることで、遅い時期から受験勉強を始めても合格をつかむことはできます。

まずは、「進学率が高くハイレベルな仲間が集まる環境に入りたい」、「地元の公立学校の教育環境に不安がある」など、中学受験をする目的をよく考えましょう。

準備不足で中学受験を迎えるより、高校受験に全力を尽くした方が悔いのない学生生活が送れる可能性もあります。

それでもなお、お子さまにとって中学受験がベストな選択肢だと思ったら、後悔のないように全力で受験に向き合いましょう。

限られた時間で結果を出すには

遅くから受験勉強を始める場合は、限られた時間を有効に使い、効率的に学習することがより重要になります。

過去問に目を通したり模試を受けたりすることで、現在のお子さまの学力と、志望校合格に必要な学力とのギャップを把握し、学習計画を立てましょう。

志望校を早めに決めることができれば、学校ごとの出題傾向に沿った対策を入念に行うことができます。

また、２科目や1科目で受験できる学校もあるため、受験勉強の時間が十分に取れない場合には、受験科目の数を絞ることも選択肢の一つです。

実力以上のチャレンジ校ばかりを受けるのではなく、確実に合格できそうな学校も併願することで、私学に進学できる可能性が高まります。

なお、集団授業の塾に途中から入る場合は、授業についていけなかったり、すでに出来ている人間関係になじめずに悩んだりすることがあります。

個別指導の塾や家庭教師を活用して、お子さまの状況に合ったフォローをしてもらうことも有益な選択肢です。

中学受験の勉強時間はどれくらい必要？

ここでは、中学受験生の勉強時間について解説します。

学校から帰った後に塾に通うお子さまも多く、中学受験生の生活スケジュールはハードです。

成長途中にあるお子さまの健康を大切にしながら、効率的な学習をしましょう。

中学受験生の一般的な勉強時間

中学受験を目指す小学4年生や5年生の場合、志望校の難易度にもよりますが、平日1～3時間、休日2～5時間ほどの勉強時間が必要です。

6年生の場合は平日2～3時間ほど勉強しており、休日には6時間以上勉強するお子さまも多くいます。

特に、受験直前期の6年生は一日中勉強すると言ってよいでしょう。

学習塾に通う場合は、週に2～3回、17時から20時過ぎまで授業を受けるケースが一般的です。

週末にテストや模試を受けたり、志望校別の特訓授業（6年生）を受講したりすることもあります。

塾がない日でも、家や塾の自習室などで勉強をします。

睡眠時間を削るのはNG! 基礎学力を高め効率的な学習を

勉強量を確保することは大切ですが、長時間勉強すればするほど成績が伸びるはずと考えて、無理をするのは禁物です。

睡眠時間は健康に悪影響を与えるだけでなく、勉強の効率を下げてしまいます。

質の良い睡眠を十分にとり、授業や自習に集中することが大切です。

また、読み書き計算といった基礎学力がついていない場合は、問題を解くのに時間がかかったり、長時間勉強しても成績が伸び悩んだりすることがあります。

勉強時間の長さが結果に結びついていないと感じるときは、むやみに難しい問題に挑戦するのではなく、基礎的な力を確実につけることに集中することをおすすめします。

ベースとなる学力が鍛えられれば、短時間でも効率的な勉強ができるようになります。

中学受験各科目の勉強法

いざ中学受験をすると決めたときに気になるのは、各科目の勉強法です。

中学受験の問題は、小学校の授業で扱う問題よりも高度なものが多く、対策が必要です。

また、日常生活と結びついた問題が多々見られるため、普段の生活の中で様々なことに興味を持ち、疑問を大切にする姿勢が学力向上につながります。

ここでは、国語・算数・理科・社会の4科目について、勉強法を詳しく紹介します。

単に知識を覚えて問題を解く以外にも、ご家庭の中で実践できることがありますので、参考にしていただけると幸いです。

国語

国語力は、全科目の土台となる力です。特に中学受験においては、国語力を伸ばすことで他の科目の成績も向上させることができます。

逆に、国語力が不足していると、例えば算数の文章題の意図が読み取れないといった問題が生じてしまいます。

「自分にはセンスがないから国語ができない」、「国語は勉強してもどうにもならない」などと考えているお子さまもいますが、日々の積み重ねの中で国語力を上げていくことは可能です。

漢字、慣用句、語彙など

漢字、慣用句、語彙などの基礎知識については、確実に得点できるよう、こつこつと練習を重ねることが大切です。

直接問題として問われる場合に配点が低くても、文章の読解力や作文力に確実に関わります。

特に、国語に対して苦手意識を持っているお子さまは、基礎的な知識を確実に習得することを意識しましょう。

読解

読解問題では、素早く正確に文章を読み取る訓練が必要です。

読むのが遅かったり、活字に苦手意識があったりする場合は、本でなくても、興味のある分野の雑誌や小学生向けの新聞などを利用し、文章を読むことに慣れていきましょう。

また、答えの根拠は文中にあることを常に意識することも大切です。

論説文や説明文であれば、接続詞に注目し、文章の論理展開を意識することで、筋道立てて答えを導くことができます。

物語文でも、例えば登場人物の心情が変化したり、人物同士の関係性が変わったりした時には、きっかけとなる出来事があります。

自分の頭の中だけで答えをなんとなく想像するのではなく、問題と文章と突き合わせた上で根拠を説明することを意識すると良いでしょう。

お子さまがなかなか正答にたどり着けない場合は、答えを導き出すプロセスの中において親子で対話をし、お子さまの思考を整理したり視点を変えたりする手助けをすることも有効です。

また、文章の中で知らない単語に出会ったら辞書を引くなど、読解を通じて語彙力を上げる習慣づけをしましょう。

記述

記述力は、単に文章をたくさん読むだけでは身に付きません。

日ごろから文章を書くことに慣れておき、限られた時間でも記述問題の答えが書けるように訓練することが大切です。

言いたいことを明確にすることや、具体と抽象を区別して意見と具体例・根拠を分けることも意識しましょう。

また、いくら長い文章を書いても、出題意図から逸れていては点がもらえません。

お子さまの書く答えが、求められている答えとずれていると感じた時は、問題文の意図を正確に読み取ることも意識しましょう。

模範解答を見て、ポイントを分解し、自分の解答と比べることで、何が不足しているのかを見つけ出すことができます。

参考

中学受験の国語の勉強法とおすすめの問題集

算数

差が特につきやすい算数は、苦手意識をなくしておきたい科目です。

無理に実力を大きく超える問題を解き続けても、算数に対する意欲や自信を失ってしまいます。

基礎を大切にし、達成感を感じながらスモールステップで力をつけていくことをおすすめします。

また、途中式に丁寧に書くように心がけましょう。

どこで間違えたのかがわかりやすくなりますし、受験本番でも、答えが間違っていても途中式が合っていれば点数がもらえるケースがあります。

計算

全ての問題の基本となるのは計算力です。素早く正確な計算力を身につけるには、毎日欠かさず練習を行うことが大切です。

一日のうちで計算練習に取り組むタイミングを決め、日々の習慣にしましょう。

図形

特に立体図形の問題は、紙の上で想像するのが難しいものです。

イメージがつかみづらい図形の問題は、実際に模型を作ったり切ったりしてみることで図形の性質を実感することができます。

比と割合

比と割合の問題では、問題をよく読み、もとにする量と比べられる量を正確に把握することが必要です。

一つひとつの条件をよく読み取って、式にする練習をしましょう。

特殊算

つるかめ算、旅人算、流水算、植木算などの特殊算は小学校であまり習わないため、それぞれのパターンの問題に触れ、解法を理解することが大切です。

参考

中学受験の算数の勉強法とおすすめの参考書

理科

理科に苦手意識があるお子さまは多いですが、知識があれば正解できる問題も多く出題されます。

得点源となる問題を着実に正解できる力をつけた上で、応用力を高め、高得点を目指しましょう。

また、日常の体験の中で、科学的な事象に興味を持つ環境づくりをすることも大切です。

生物分野

生物分野は、理科の中では知識問題が多く、暗記量が得点につながりやすい分野です。

基礎的な知識を習得し、演習問題をこなすことで、点数を安定させることができます。

また、動物園や植物園に行ったり、虫の観察をしたりすることで、生き物の生態や体の仕組みについて興味と理解が深まるでしょう。

地学分野

地学分野では、出題パターンを知ることで解ける問題が増えます。

図を描いて天体の位置を把握したり、カラーの資料集で河川や地層の様子を確認したり、気象予報を見ながら天気について考えたりすることで、視覚的に学びを深めることも効果的です。

物理分野

暗記学習の比率が少ない物理分野では、論理的思考力が問われます。

原理を理解した上で、公式を自在に扱い、式を立てることが必要です。

ばねやてこなどの力学の問題では、図を活用して仕組みを理解するようにしましょう。

化学分野

化学分野で安定した得点をあげるためには、計算力が大切です。

もちろん算数でも計算力は求められるため、日々の計算練習をおろそかにしないようにしましょう。

実験の様子を問う問題も出題されることがあります。

家庭や塾では実験を行うことが難しい場合が多いため、動画サイトやオンライン教育サービス上で提供されている実験動画を視聴することも効果的です。

参考

中学受験の理科の勉強法とおすすめの参考書

社会

社会は、きちんと勉強すれば点が上がりやすい科目であると言えます。

ただし、単なる暗記問題ではなく、知識を組み合わせて答える、思考力を問う問題の出題も増えています。

グラフや資料を読み取り分析する力も必要です。

地理・歴史・公民の融合問題も出されるため、物事を多角的に捉える力が問われます。

地理分野

地理分野では、都道府県名や県庁所在地、山地・山脈や川、平野の名前などの基礎的な地名とその位置を正確に覚えましょう。

地図帳や白地図を活用したり、部屋の壁やトイレに日本地図を貼ってすき間時間に見たりすることもおすすめです。

農産物の生産量をもとに都道府県名を推測する問題も頻出のため、各地域の特産物もチェックしておきましょう。

また、気候や地形はその土地の産業や暮らしのあり方とも深く関連しています。

単に事実を暗記するのではなく、物事の因果関係を考え、「なぜ？」と問う意識を大切にしましょう。

歴史分野

暗記量が多い歴史分野は、人物や時代背景に興味を持つ工夫をすることが、スムーズな学習につながります。

伝記や学習漫画、歴史もののドラマなどのテレビ番組を通じて、楽しみながら歴史に対する理解を深めていくことが、中学受験対策にも役立ちます。

年号は語呂合わせで覚えるなどして、記憶を定着させ、知識問題を得点源にしましょう。

公民分野

公民分野は、日常生活や社会の動きとも深く結びついているため、受験対策で学ぶ知識を身近なものとして捉える意識が大切です。

小学生向け新聞を読んだり、ニュースを見たりして、世の中の動きにアンテナを張ることは、時事問題の対策にもなります。

親子で気になったニュースについて話し合い、疑問に思ったことを調べることによって、受験勉強で学んだ知識と社会とのつながりを実感できるかもしれません。

参考

中学受験の社会の勉強法とおすすめの参考書

学習塾や家庭教師は併用すべき？

中学受験をするにあたって、多くのご家庭では学習塾や家庭教師などの教育サービスを利用します。

独学で中学受験を突破することは不可能ではありませんが、教育サービスが提供する授業や、受験勉強についてのノウハウを活用することで、合格に近づくことができます。

しかし、ただ学習塾に行かせたり家庭教師をつけたりするだけで成績が上がる、というわけではありません。

お子さんと相性が良く、効果が出るサービスを選ぶことが重要です。

ここでは、学習塾や家庭教師の併用の必要性や選び方など、親御さんが疑問に思われる点についてお答えします。

学習塾や家庭教師の併用は目的に応じて

多くの親御さんが持つ疑問として、「学習塾や家庭教師は1つで良いのか？」というものがあります。

それぞれの学習塾や家庭教師に求める役割によって、併用すべきかどうかが決まります。

例えば、集団授業の学習塾では、受験に向けて最適化されたスケジュールに従い、同じ目標を目指す仲間やライバルと出会い刺激を受けながら学ぶことが可能です。

特に大手や老舗の塾は、中学受験に関するデータやノウハウを豊富に持っており、家庭では得られない情報を提供しています。

しかし、集団授業中に生徒一人ひとりの理解度を確認することは難しく、本当にお子さまに合った授業内容・進度であるかをご家庭で見極めなくては成績アップにつながりません。

授業についていけていないにもかかわらず、無理して集団授業を受けても時間の無駄となってしまいます。

集団授業だけでは成績が上がらない場合は、自分に合った勉強内容をカスタマイズしてもらえる個別指導塾や、家庭教師などを併用することを検討すると良いでしょう。

学習塾や家庭教師を併用することが体力的・時間的・金銭的に厳しい場合は、通信教育やオンライン教育サービスを活用することも有効です。

通信教育やオンライン教育サービスは一般に対面の教育サービスより安価であり、時間の都合がつけやすいと言えます。

また、科目によって、学習塾や家庭教師、他の教育サービスを組み合わせることも可能です。

例えば、国語と算数は塾に通い、理科と社会は通信教育で学ぶといった選択もできるでしょう。

限られた時間やお金を有効に使い、お子さまの健康への負担を減らしながら、効果のある教育サービスだけを利用することが大切です。

学習塾や家庭教師などの選び方

学習塾や家庭教師、その他の教育サービスには、それぞれ長所や短所があります。目的に応じて適切に選択することが大切です。

受験に関する詳しい情報を入手したい場合は歴史の長い集団指導塾、自分のペースで苦手を克服したい場合は家庭教師といったように、それぞれの教育サービスの特性に合わせた選び方が可能です。

以下では、集団指導塾、個別指導塾、家庭教師、通信教育といった教育サービスが一般的に持つメリットやデメリットを紹介します。

ただし、例えば同じ集団指導塾でも、歴史の長さや過去の実績、フォロー体制などは様々です。

また、コロナ禍を経て、オンラインで利用できる教育サービスの選択肢も拡大しています。

お子さまの状況や性格などを見極め、資料請求や授業見学を通じてよく情報を集めた上で、効果的な教育サービスを選ぶことをおすすめします。

集団指導塾のメリット・デメリット

集団指導塾のメリット	集団指導塾のデメリット
・生徒数が多く、受験に関するデータやノウハウが豊富	・自分のペースで勉強できない
・自分の学力の相対的な位置を知り、他の生徒と切磋琢磨できる	・苦手分野を克服し得意分野を伸ばすことが難しい

個別指導塾のメリット・デメリット

個別指導塾のメリット	個別指導塾のデメリット
・自分に合ったカリキュラムを組んでもらえる	・講師の質にばらつきがある
・講師に質問や相談がしやすい	・仲間やライバルがおらずモチベーションを保ちにくい

家庭教師のメリット・デメリット

家庭教師のメリット	家庭教師のデメリット
勉強の内容ややり方を個別に考えてもらえる	指導力が高く相性の良い講師を見つけるのが難しい
通塾の負担がない	受験に関する情報やデータを得にくい

通信教育

通信教育のメリット	通信教育のデメリット
対面の教育サービスに比べて値段が安い	学習が続かず途中で挫折する可能性が高い
時間や場所を選ばず学習できる	受験勉強のすべての範囲をカバーすることが難しい

適切な教育サービスを選ぶことで、お子さまの合格の可能性は大きく上がります。

じっくりと情報を調べ、無料体験を活用するなどしてサービスの中身をよく吟味した上で、後悔のない選択をすることをおすすめします。

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